金継ぎがつなぐもの
2025.07.16
「金継ぎ」をご存じでしょうか。
割れたり欠けたりした器を漆で修復し、仕上げに金粉などで装飾する日本の伝統技法です。
「金継ぎ」という大きなくくりの中には、金のほかに銀や錫などさまざまな粉を用いたり、粉を撒かずに漆だけで
仕上げる方法も含まれています。
壊れた器を捨てずに修復し、長く大切に使い後世につなぐ。
SDGsがこれほど関心を集める以前からひそかに人気のあった習い事ですが、やってみたいと思いながらも
なかなかチャンスに恵まれませんでした。

八戸に越してきてしばらく経った頃、和食のお店で日本酒をお願いしたら、私の前にキラリと
あらわれたのが金継ぎされたおちょこでした。聞けばスタッフの方が習っていらっしゃるそう。
あれほど検索しても見つからなかった教室がこんな身近にあったなんて!
そんな偶然のご縁で、以来その教室に通わせて頂いています。


金継ぎが施された器には完品とは違う美しさがあって、料理や飲み物を引き立ててくれるように感じます。
金継ぎを始めてからは棚の奥にしまい込んだ大切な器を使ってみようかなと思えたり。
骨董市の以前ならあきらめていたようなキズありの器たちも、今ではお宝に見えてくるから不思議です。
何色で継いで何を盛りつけよう。想像をふくらませながらの宝探しはいっそうワクワクします。
遠方の友人から「これ直る?」とLINEが送られてくることも。器の受け渡しを口実に会えるチャンスも増えて
それもまた嬉しいのです。
金継ぎは人とのご縁もつないでくれています。
今井 京子
