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あおもりインテリア
コーディネーター協会

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美術館

2025.03.13

私の中の美術館のイメージは、
例えば、映画の「バスキア」の最初のシーン。
小さい頃のバスキアが母親に手を引かれて歩く美術館の廊下。その先にある圧倒的な「ゲルニカ」を見つめるふたり。
例えば、原田マハの小説「デトロイト美術館の奇跡」
溶接工のフレッドが亡き妻を想いながら何度も訪れる美術館。神秘の森の中のようなギャラリーを抜けて、まるで古い友達に会うように一枚の絵の前に佇むフレッドの姿。

地元八戸に新しい美術館が出来るときまってから5年間、私たちの期待は大きく大きく膨らんでいました。友人やお客さまとの会話の中にも、それぞれの思い描く美術館像があふれていました。
街の中のこんもりした森の中の小さな美術館、アプローチは大事だよね~絵や彫刻に会いに行く心構えが一歩進む度に高まっていくような…
少し襟を正し日常とは違う場所に入り込んで、心が動く一枚に出会い、そして自分と向き合う。
帰り際に立ち寄る木漏れ日の中にあるような小さなカフェがあったらいいね~等々…

2021年11月3日「八戸市美術館」オープン。
コンセプトは「出会いと学びのアートファーム」
アートが生まれ育ち、花が咲いて実がなる場所。明るくて「境界」のない空間。「何にでも対応できるような柔軟性を持つ」建築は様々な形で地域やコミュニティの課題に対応しているのだそうだ。
新しいビジュツカンのかたち。
私は…自分が思い描いていた美術館とあまりにもかけ離れていたので、なかなか足を踏み入れる事ができずにいました(友人たちも同じように言っていました)
でも、これではいけないとオープンから3年経ってようやく気が付きました。自分の小さい理想にばかり凝り固まっていては新しい考え方に寄り添えないし進歩もない。きっと楽しい出会いがここにはあると信じて、最近は何度も足を運んでいます。

※4月の「あおもりインテリアコーディネーター協会通常総会」は、八戸市美術館(スタジオ)で開催します。
松橋道子