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あおもりインテリア
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狭さの居心地

2024.09.09

 ヌック、と呼ばれる空間がありますよね。極端に言えば穴蔵のような、潜り込むような空間をイメージしていただけると良いかと思います。
 これ、最近憧れなんですよね。子供の頃、押し入れに潜って遊んだ経験って、割と皆さんお持ちではないかと思うのですが、その感覚に近いのかもしれません。わざわざミニバンの3列目、車種によっては子供専用席みたいな狭さですが、そこに潜り込むのもいい歳して好きなんです。ま、いざ走り出せばすぐに、狭い!暑い!乗り心地悪い!と、文句を言うわけですが(笑)。

 お部屋は広い方がいいですか? テレビに出てくるような誰かの家の広大なリビング、あれにも憧れますが個人的には、だだっ広い空間にぽつねんと居るよりは、小さな囲まれた空間も落ち着いて気分が良いです。折角広いリビングを作ったのに、気づいたら隅っこの4畳半分のスペースに家族が固まってた、なんて笑い話がありますが、私もその口です(笑)。とはいえ、拙宅が広大なわけはなくそんな心配はもとより不要なのですが、コロナを端緒にインドアが加速した最近は頓に、ヌックのある空間に羨望の眼差しなのです。

 さて、拙宅で書斎コーナーとして使っているスペースは、天井を低めに、というか床を高めに設計してもらいました。天井がちょっとだけ高めのLDKから4段上がって天井そのまま、という構成なのですが、これが大変落ち着きます。エイッと背伸びすれば、普通に届いてしまうくらいの天井高。渡り廊下的にくびれた平面にあたる場所なことも相まって、デスクに向かって座った時に背面の壁までの距離も天井の高さも、ちょうど気持ちのいい具合になって、ヌックとは違いますが、軽く囲まれたこのスペースは、本当にお気に入りの場所になっています。

 暮らして13年。ものが増えてこのスペースも何やら雑然としてきて、それでも気づくと妻ともどもここにかたまって、それぞれ仕事をしたり本を読んだり、あずましく過ごしています。
 もっと広ければ雑然とした荷物たちも片付くのか? いや、モノがますます増えるだけさ。そんなジレンマを覚えながらも、おしゃれ、かっこいいとは別ものの、好きなものたち…ガラクタともいう(笑)…に囲まれた『よい居心地』を楽しんでいます。

皆さんのあずましい場所は、どんな処でしょう? ぜひお聞きしたいです。。。

小野